チャプレンメッセージMessage from the Chaplain

2025年06月01日掲載

イエスはペテロに、「私の小羊を飼いなさい」と言われた。
ヨハネによる福音書21:15 Habemus Papam(ラテン語「我ら教皇を得たり」)、5月8日、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の中央バルコニーから高らかに宣言されました。希望を見いだそうと、固唾をのんで世界が待っていた瞬間でした。新教皇ロバート・プレヴォストは、アメリカ生まれですが、長く南米、特にペルーで布教活動をしていました。香蘭は英国国教会の流れを汲む学校ですが、ローマカトリックの長である新教皇レオ14世はキリストにあって同じ兄弟です。そして、教皇の言動は私たちを導く道標となります。

世界が様々な混乱と危機に直面している今、新しい教皇の影響力は決して小さくありません。世界は人道的で道徳的なガイドを必要としています。レオ14世はそれができる数少ない人であると期待します。理性と正義が彼によって人々の間に広がって行くことを心か ら祈ります。今、世界は希望以上に、勇気が必要なのかも知れません。権威主義は過去の ものになるどころか、世界各地でますますはびこってきています。政治を超えて、教皇が 勇気を持って、多くの人を代弁してくれることを切に願います。

また、世界の富はますます偏り、無秩序になっています。一握りの人が莫大な富を手にしている一方で、地球上の多くの兄弟姉妹が貧困にあえぎ、その結果、心身の健康を害しています。新教皇の慈悲と勇気により、この問題も正されることを願います。

教皇レオ14世の言葉です。「私は、自分の力によって選ばれたのではありません。私は恐れ多くも今、皆様の前に一人の兄弟として進み出ます。人々の信仰のため、幸せのために尽くし、人々が神様の愛の道を歩むための伴走者となりたいと思います。私たちが一つとなることを神様が望んでおられるからです。愛と一致、それこそがイエス様がサン・ピエトロ(聖ペテロ)に託したものなのですから。」

愛と一致が世にあまねく行き渡りますように。

香蘭女学校チャプレン  マーク・ウィリアム・シュタール