チャプレンメッセージMessage from the Chaplain
2025年07月01日掲載
わたしの心は言う、「神の顔を求めよ」神よ、あなたの顔をわたしは慕い求めます
詩編27:11
私たち人間には霊的な体験が必要です。ロボットではないのですから。良く生きるには、自分の霊性 、精神性、心に目を向けることが大切になります。「霊的なことには関心がない」と言う人もいるでしょう。しかし、誰もがスタースポーツ選手やノー ベル賞受賞者になれないのと同じで、精神性のレベルも人それぞれです。人は誰でも、ある程度の精神 性を持ち合わせていて、自分には精神性はないと言うのは、地球には引力がないと言っているようなも のです。
私たちは日々の生活の中で、様々な壁にぶつかります。それらを乗り越えなければ、人生を歩み続けることはできません。そんな時、なんらかの霊的な体験が壁を乗り越える力になります。
14世紀のイギリスにノリッジのジュリアン(1343-1416)という女性がいました。彼女は、日本聖公 会のルーツとなる英国国教会の歴史的遺産です。彼女は数々の霊的な体験から心身の健康を取り戻しました。30歳で死の床にあった彼女は、絶望的状況にありました。司祭が来て、臨終の人のための儀式を行いました。司祭は十字架を彼女の目の前にかざし、見つめるよう告げます。
その時、彼女は目の前の十字架に吸い込まれる錯覚に陥りました。十字架は16個見えたそうです。彼女は後に「神聖な愛の啓示」という本に詳しく述べています。この本は女性が書いた最初の英語の本で あると言われていて、彼女はこれにより名を世に残すことになりました。彼女はその中で全ての人に注 がれている神様の無限の愛を説いています。もっとも有名なくだりは「すべて良し、すべて大丈夫、すべてはうまくいく」です。彼女は自分の霊的な体験からこの境地に至り、神様に全幅の信頼を寄せることによって絶望の淵から救われたのです。ここに彼女の真の信仰を見ます。
ジュリアンは、あなたが絶望の淵にある時、あるいはすべてが悪い方向に向かっていると感じる時、ただ奇跡を待つのではなく、神様と霊的な対話をしなさいと教えています。自分の行く道、将来をただ 思い巡らすのではなく、神様との対話から力を得て、積極的に探しに行きなさいということです。
神様からの霊的な養いを求めましょう。ジュリアンのような劇的なことは起きないかも知れません。でも、あなたにとって最良の時に、最良の形で霊的な体験がもたらされると信じています。
香蘭女学校チャプレン マーク・ウィリアム・シュタール