チャプレンメッセージMessage from the Chaplain

2026年3月01日掲載

「自分でやったらどうだ」
すると、彼らは尋ねました。『主よ、いつ私たちは、あなたが飢えたり、渇いたり、よその人であったり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お仕えしなかったでしょうか。』45そこで、イエスは答えた。『よく言っておく。この最も小さな者の一人にしなかったのは、すなわち、私にしなかったのである。』マタイによる福音書25章44から45節

どんなわずかな聖なる瞬間も、歴史的なイベントだと言います。神様を愛そう、隣人のために神様のみ助けを借りようと心に決めた瞬間、それは歴史を変える力になります。すべての聖なる瞬間は、時と場所を越えて人々の人生に影響を与えます。

キャサリン・ドレクセル(Katharine Drexel)は、そのことを教皇レオ8世との接見を通して、実感することになります。彼女は1858年に米国ペンシルベニア、フィラデルフィアの裕福な家庭に生まれました。彼女が生まれてすぐに実母は亡くなりましたが、そんな境遇でも、慈善の精神を育みました。彼女は家族と一緒に地域の恵まれない人に食事、衣服、医薬品を分け与えました。ある時、以前世話になった牧師を訪ねるため、遠くへ旅をした時のことです。キャサリンは、その旅路で目にしたネイティブ・アメリカン(インディアン)の窮状に衝撃を受けることになります。その直後の1886年に彼女はローマで教皇レオ8世と接見したわけですが、その際、教皇にアメリカのネイティブ・アメリカンのための学校を設立するため、もっと宣教師を派遣してほしいと訴えたのです。ところが、それに対して教皇は、「自分でやったらどうだ」、「自分の資金だけでなく、自分の身をその活動に投じたらどうだ」と提案されたのです。彼女はまさしく目が開かれ、そこからの展開は冒頭に述べたことを体現することになります。

キャサリンは修道女となり、主に差別され虐げられていたネイティブ・アメリカンや黒人たちのために60以上の学校や団体を設立しました。ニューオーリンズ州には、全米初の黒人のためのカトリックの大学ザビエル大学を設立しました。彼女の活動によって、多くのマイノリティが教育の機会を得て、社会へと羽ばたいて行きました。

神様の創造されたもの全ては、どこかでつながっています。恐らく、理解を超えた次元で私たちもつながっているのです。聖なる瞬間、行い、イベントは世界へその影響力を及ぼします。キャサリン・ドレクセルは2000年に聖人に定められ、今月の3日が記念日となっています。彼女が生涯をかけて尽力した活動を覚えたいと思います。多くの人の人生を変えた彼女の功績は偉大です。私たちもそれぞれ神様のみ助けによって、聖なる瞬間が与えられ、行動を起こし、人へとつなげていくことができますように。

香蘭女学校チャプレン
マーク・ウィリアム・シュタール