チャプレンメッセージMessage from the Chaplain

2026年4月01日掲載

見よ、神は私の救い私は信頼して、恐れない。主こそ私の力、私の歌。私の救いとなってくださった。あなたがたは喜びのうちに救いの泉から水を汲む。
イザヤ書 12章2から3節

現代を生きる私たちは、洪水のような情報や世俗的な雑念にとらわれ、霊的な気づきが鈍くなっていると思います。特に、スマホなどの画面に思考も気持ちも奪われ、神様の存在に気づきにくくなっています。

どうしたら、霊的な気づきを取り戻すことができるでしょうか。その確かな方法の一つは、一人静かな祈りの時間を持つということです。祈りは自分の霊的な感覚を呼び覚まし、神様が共にいてくださることに気づかせてくれます。そんな例をある場所を訪ねて見てみましょう。

フランスのルルドという町は1858年頃までは人口4000人程度のさびれた町でした。せいぜい中世の城に歩兵隊が駐留し、ピレネー山脈各地の湧き水巡りや山岳ルートを旅する旅人がひと休みするような所でした。

1858年2月11日、地元の14歳の少女ベルナデッタ・スビルスは薪集めをしていました。すると大変美しい女性が大きな洞穴にいるのを見つけました。その女性は自分が「聖母」だと明かします。その後、その女性を見たという人が次々現れました。すると、1年でその洞穴を巡礼する人が続々来るようになり、1864年にはそこに「ルルドの聖母像」が建てられました。

この例は、ベルナデッタが豊かな霊的な気づきの力を持っていたことを示しています。霊的な気づきは、神様の臨在を感じる力です。彼女は、貧困にあえぎ、病気がちでした。しかし、そのことが彼女を祈りの世界へと導いたとも言えます。彼女は学校でも勉強に遅れがちで、教師からもクラスメイトからも馬鹿にされていました。しかし、親しい友人たちは彼女には何か特別な所があると感じていました。彼女には神様との強い結びつきがあったのです。

最初、ベルナデッタが聖母を見たと言った時、多くの疑いをかけられ、収監される危うさもありました。しかし、彼女は、神様が聖母を通して自分に語りかけられたのだと確信していました。世間一般の雑音は彼女にとって大きな意味をもたず、天からのメッセージが何よりも大事だったのです。

彼女の霊的な気づきは、その後多くの人にも恩恵をもたらしました。彼女は聖母から井戸を掘るよう告げられました。するとそこから湧き水が出てきたのです。今、年間600万人の巡礼者がこのルルドの泉に押し寄せるということです。ルルドの水の癒やしの力を信じて集まってくるのです。実際、未確認ながら、多くの病気の治癒が報告されています。

これもベルナデッタの霊的な気づきがもたらしたものです。聖霊の声に一生懸命耳を傾けると驚くようなことが起こることがあります。でも、まずはスマホを脇に置き、静かな祈りの時間を持ちましょう。それが霊的な気づきの第一歩です。


香蘭女学校チャプレン
マーク・ウィリアム・シュタール