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高等科2年生が国立劇場で文楽鑑賞教室
毎年度恒例の高等科2年生の文楽鑑賞教室。今年度は二学期期末テスト翌々日の12月12日、国立劇場小劇場へ出かけた高等科2年生は、人形浄瑠璃を堪能しました。
それまで文楽を鑑賞したことのある生徒は殆どいないため、国語の授業で文楽についての説明を聞いたり義太夫節の一節を聴かせてもらったりはしたものの、実際はどのようなものかを想像しながら国立劇場に入った生徒は、最初の演目「二人禿」を見て一気にその世界に惹きこまれてゆきました。特に、竹本南都大夫・豊竹咲寿大夫・豊竹亘大夫の浄瑠璃に感動したようです。そして次の「文楽の魅力」という豊竹希大夫、豊澤龍爾、吉田文哉の解説を聞きました。大夫と三味線弾きの掛け合い、そして三人遣いの人形がまるで人間が演じているかの如きしなやかな動きを見せてくれるのが文楽の魅力です。「仮名手本忠臣蔵」の一節を会場みんなで声を出して練習する場面もあり、生徒たちは大声を出して「鷺坂伴内、家来引き連れ駆け出で、やあやあ、勘平」と大夫の気持ちになって語りの練習をしていました。
そして、いよいよ後半は本日のメインの作品。今年度は人形浄瑠璃の名作「三十三間堂棟由来」鷹狩の段、平太郎住家より木遣り音頭の段。直前の解説で話された大夫の語り分けの凄さと声の見事さ、三味線の表現の多彩さ、三人遣いの人形遣いの描写の美しさ……。どれをとってもあまりに迫力があり、リアルであり、ドラマチックであり、生徒たちは思わず聞き惚れ、見惚れていました。途中、鶴澤清介の三味線の糸が切れてしまい、僅かな時間の隙間に見事な手さばきで清介が糸を貼り替えている姿を発見した生徒もいて、その見事なプロの技に驚愕していました。なお、この日の太夫は豊竹英大夫・豊竹咲甫大夫・豊竹希大夫、三味線は鶴澤清介・野沢喜一朗・豊澤龍爾、人形は吉田玉男・吉田和生・吉田文哉・桐竹勘次郎ほかの皆さまでした。
古典芸能と言われる文楽・人形浄瑠璃に初めて触れた生徒たちは、決して古くない、むしろこの現代に生き生きとしている文楽の時代を超えた芸術性を肌で感じたことでしょう。
(写真左は国立劇場発行のチラシの表裏)